AcademyのAKS-74U
Academy:アカデミーは、韓国の大手プラモデルメーカーです。プラモデルの他にもラジコンやエアガンも取り扱っており、その中でもアカデミーのエアガンは、商品カタログに珍しいモデルがラインアップされております。日本でもサニー、セキトー(SIIS)、クラウンモデルなどから輸入されたものが流通しています。
当ブログでもそれぞれの会社を経由して輸入されたものを何品かレビューをしています。
その1つは、14年ほど前に同じアカデミーのAKS-74U エアコキ版をレビューしましたが、今回は電動ガン版をインターアライドという模型やミニカーをメインに取り扱っているメーカーの運営しているショッピングサイトにて購入しました。
電動ガンと一括りに云っても、ハイエンドモデルやエントリーモデルなどジャンルもいろいろあります。
アカデミーのAKS-74Uは、外装に樹脂パーツを多用して低コストと軽量化を実現、動力源に乾電池を使用する、定価6千円程のお手軽系電動ガンです。
はじめに
AKS-74Uは1974年に当時のソ連によって採用されたアサルトライフル「AK-74」をベースに開発された短縮カービンモデル。
ショートバレル化と折り畳み式ストックを装備することで、携帯性と取り回しの良さから旧ソ連/ロシア軍空挺部隊の他にも車両、航空機の乗員や砲兵などが用いる護身用武器としても配備されています。
AKS-74Uを含めてショートバレル化されたAKライフルの総称クリンコフとしても有名ですね。
パッケージ
AKS-74Uのパッケージ。
異国の文字が躍るパッケージデザインです。英語の部分は何となく読めるのですが、ハングルの所はサッパリです(^^;
販売元は韓国のアカデミー社ですが、電動ガンはフィリピンにて製造されているようです。
マガジンを外して、ストックが折り畳まれた状態で本体が入っているので、パッケージサイズは525×220×95mmと意外とコンパクト。
本体とマガジンの他に説明書、使用注意書(かな?)、AGFトレカ、BB弾の小袋が付属しています。
説明書や注意書はハングルなので詳しい内容までは分かりませんが、親切なイラストもあるので操作方法はなんとか理解できそうです。
AGF(Academy Gun Factory)トレカの詳細は不明。AKS-74Uのスペックなどが紹介されているトレーディングカードです。
外観
本体は実物と同じ1/1スケールの大きさです。
また、オール樹脂製と云っていいほどプラスチックが多用されているので、非常に軽量な電動ガンです。
韓国のトイガン事情は、あまり詳しくないのですがパッケージや説明書によると14才以上を対象にした製品になっているようです。
本体は無塗装仕上げですが、ハンドガードやマガジンのカラーはプラスチック成型色によって再現されています。
本体やマガジンの所々に操作説明と思われるハングル語のシールが貼られています。撮影後にシールは剥がしました。
レシーバーはABS樹脂地のまま。表面にはシボ加工があるので、光沢が少し抑えられています。
刻印は最小限のものが入っているのが、ロシアの軍用銃っぽくて良いですね。
リベットやボルトの頭はモールドによるダミーです。
トップカバーの素材も樹脂製ですが、ABSではなくナイロンっぽいものになっていて、レシーバーと質感が異なります。
ストック
ストックは実際に折りたたみ可能です。
レシーバー後端にあるストックロックボタンを押しながらストックを左横方向に引くと折りたたむことができます。
肉抜きされたスケルトンタイプの折り畳みストック(フォールディングストック)です。
ストックを折り畳むと、よりコンパクトになります。
畳んだ際にストックをロックする爪(機能)も再現されているので、不意に開いてしてしまうこともありません。
ストックロックは金属製ですが、ストック、ストック基部、スリングスイベルはトップカバーと同じ素材の樹脂製です。
構えるとガッチリとしてはいますが、樹脂製なので強度に不安が残ります。
フロント
木目調の樹脂製ハンドガード。木目調のブラウンは淡白な感じがしますね。ハンドガードの塗装にチャレンジしてみたくなります。
マズルのフラッシュハイダーはAKS-74U用に開発された形状を再現。ただし韓国用のオレンジカラー仕様(実銃と見分ける為に色を変えているそう)です。。。
ハイダーはレビュー後に塗装予定です。
2012/8/5 追記
後日、ハイダーとハンドガードを塗装しました。塗装したAKS-74Uの記事はこちら
マズル/ハイダー
フラッシュハイダーはクルクルと回して取り外すことが可能です。しかも、リアルにロックピンも可動する上に14mm逆ネジ仕様になっています。この価格帯の電動ガンだと、マズルにねじ切り加工がされているモデルは非常に珍しいと思います。
ねじ切り部分も樹脂製なので耐久性に少し不安がありますが、サプレッサーなどのアクセサリーも装着できます。
さらに驚いたのがハイダーを外す際に、ハイダーと一緒にアルミ製インナーバレル外れかけたことです、、。
どうやらインナーバレルは固定されておらず、差し込み式になっているのですね(^^;
奥に押し込んでも約30mmほどマズルからインナーバレルが露出します。取り付けるハイダーによっては、インナーバレルをカットする必要があるかもしれませんね。
サイト
フロントサイトはシンプルな形状です。調節機能はありません。
リアサイトはノッチが付いたL字型のプレートを倒して、近距離用と中距離用に切り替えることができます。
操作
ボルト(コッキングハンドル)はレシーバーと一体成型で動きません。
セレクター
レシーバー右面にあるセレクターレバーを操作してセフティ/セミオート/フルオートの切り替えをします。
セフティ
レバーを一番上まで上げるとセフティモードで、トリガーを引いても発射されません。
セミオート
セフティポジションから1つ下げるとセミオートモードの発射になります。
フルオート
レバーを一番下まで下げるとフルオートモードになります。
セミオートとフルオートのセレクターポジションが、実銃と逆の配置になっています。
AKライフルの操作を経験された方だと、違和感を感じるかもしれませんね。
ラッチスイッチ
トリガーの後ろグリップ付け根にあるのはラッチスイッチ。
撃ち終わった後に後退したまま止まったピストンを、スイッチを押して前進させるためのものです。
バッテリー
バッテリーはトップカバー内部に収納します。
バッテリー(ボックス)へのアクセスは、カバーロックを押しながらカバーを持ち上げて開きます。
長細いバッテリーケースが出現しました。ケースはハンドガード側まで続いています。
ケース内に単3型電池6本を1直線に並べて装着します。
マガジン
オレンジにも近いブラウンカラーのマガジンが付属します。
多弾タイプで装弾数は約300発です。
マガジン上のカバーを開いてBB弾をジャラジャラと流し入れます。入れ終わったらマガジン底にあるゼンマイのダイヤルを回してBB弾を給弾レーンに送ります。
マガジンはスタンダード系電動ガンAKシリーズ用と互換性(加工や調整が必要な場合もあるかもしれません)があるようで、東京マルイのAK47(STD)マガジンでも発射できるのを確認しました。
実射
弾と電池を入れて実射してみると、最初の1発目は弾送りの関係なのか空撃ちになります。
セミオートでは「ウィ」という作動音の後に「パッ」と発射音でBB弾が発射。
セレクターを操作してフルオートに切り替えると「ウィパ、パッ、パッ、パッ」とゆっくりとしたサイクルでトリガーを引いている間、連続射撃が続きます。
当方の個体だとフルオート射撃中にマガジンに弾が残っていても、まれに連射が途切れて空撃ちになってから再び弾が発射される現象が起きます。マルイ製のスプリングタイプのマガジンだと起きないので、もしかしたらアカデミー純正マガジンの弾上がりが悪いのかもしれません。
発射サイクルを測ってみると、秒間で約5.83発という数値になりました。
ライトプロ電動ガンMP5RASのサイクルが約9発/秒だったので、それよりもゆっくりとした感覚です。
固定ホップアップを搭載していますが、自宅内だと最大で7mほどの距離しかとれないので飛距離は分かりませんが、近距離では真っ直ぐな弾道を描いています。
AKS-74U 電動ガン 初速データ
使用BB弾:0.12 g
発射回数:10 発
最小値:43.98m/s(0.11J)
最大値:46.9m/s(0.13J)
平均値:45.4m/s(0.12J)
初速は10禁エアガンレベルの数値になりました。
おわりに
アカデミーのAKS-74U電動ガンはリアルスケールながらも、外装やメカボックスなどに樹脂パーツを多く採用している軽量モデルです。
電動ガンとして割り切った設計でコッキングハンドルは無可動です。しかし、特徴の1つでもある折り畳みストックは可動式、リアサイトも可倒式が再現されていてクリンコフの雰囲気を体感できます。
更にマズルは取り外し可能な14mm逆ねじ加工がされているので、14mm逆ネジ対応のマズルアクセサリーを装着できたり、AK系STD電動ガンのマガジンと互換性があるのも嬉しいですね。
このAKS-74Uは、韓国版ライトプロのような電動ガンと云えるかもしれないです。
定価:5,800 円(税抜き)
全長:500/736 mm(最小/最大)
重量:990 g
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@アカデミー AKS-74U エアコキ
@東京マルイ AK-47S 電動ガン
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@東京マルイ M4CQB ライトプロ
この記事へのコメント
山田
アカデミーのクリンコフ、電動もあるんですね。
わたしはエアコキの方を持ってます。
見た感じ、ボディは共通っぽいような… でもハイダーは電動の方はオレンジ色なので絶対塗った方がいいですね!笑
塗装し終わったものが見られるのを楽しみにしています。
まる吉
山田さんはエアコキタイプをお持ちですか!収納できるフォアグリップなどエアコキ版も面白いですよね。
電動とエアコキだと、細かなパーツは共通かもしれないですね。ただボディの方はコッキングハンドルがレシーバーと一体成型でダミーになっているので電動専用のボディだと思います。
質感はストック基部やリアサイトなどのパーツも金属製になっているエアコキの方が良いですね^^
ハイダーとハンドガードは現在、塗装中です。塗装が終わったら改めて記事にして紹介したいと思います!